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黒部渓谷弾丸ツアー①(黒部ルート)
2016-09-03 Sat 05:33
黒部1-1

前述の温井ダムに続いて黒部ダムへ行く機会を得た。
かの地へは およそ15年前だったか(記憶が曖昧なので正確ではない)に訪れて
以来の再訪である。

有名なのでダムに興味の無い方でも名前くらいは聞いた事があるだろう。
しかし、その成り立ちはご存知だろうか

そもそも、何の目的でダムを造るのか
一般的なダムの利用目的は
  ① 洪水対策…ダムにより川をせき止め氾濫を防ぐ
  ② 利水…ダムに水を溜めて水源とする事で水不足に対応する

黒部ダムの着工は、1956年 今から60年前である。
当時、かの地は秘境であり人跡未踏の渓谷であった。
そんな場所に洪水が起きても誰も困らない。
人が居なければ水源を確保しても意味がない。
(少なくとも多大な資金と労力を注ぎ込んで巨大なダムを造る必要はない)

60年前…当時、関西は電力に飢えていた。
慢性的な電力不足による停電が頻発しており、
産業用は元より家庭用としても全く役に立たず、深刻な経済停滞の要因となっていた。
世間の非難は関西電力に集中し、打開策として打ち出されたのが
ダムによる水力発電であった。
幸い関西電力の前身に当たる日本電力が戦前から黒部渓谷の開発を行っており、
仙人谷ダムを完成させていた。

これに伴うトンネル掘削工事は地熱により最大166℃という高温の中、
行われた歴史的難工事であったが、詳しく紹介するとキリがないので
興味のある方は 吉村昭 著「高熱隧道」を読まれたい。

仙人谷より更に黒部川の上流に巨大なダムと発電所を造り、
電力不足の解消を目論んだ訳である。

つまり黒部ダムは発電所とセットで、その威力を発揮するのだが、
その発電所は、どこに在るのだろう
一日平均4000人の観光客が訪れる黒部ダムだが、
その中の何人が発電所に付いて思い当たるだろうか。

答えは、ダムより10km下流の地下に在る。
それは黒部川第四発電所と言い、ダムの愛称「くろよん」の由来でもある。
第四という事は当然第一~第三も有った。
因みに第三は例の仙人谷ダムを利用している。

唐突に話が変わって申し訳ないが、ここで黒部ダムの場所に付いて触れておきたい。
(今回も画像は拡大機能付き そのままで見辛ければクリックで拡大して欲しい)

黒部広域MAP1 (2)-2
地名で言うと、富山県中新川郡立山町になり、丁度 能登半島の南東に位置する。
地図上の赤い□を拡大したのが
                      こちら         
黒部MAP3 (2)-8
            見辛いので、もう少し拡大してみよう
黒部MAP3 (3)-8
これ以上は枠に収まらないのでご容赦願いたい(先にも述べたが、クリックで拡大可)

ダムと発電所の位置関係がお分かり頂けるだろうか
ダムの10km下流(北側)の地下に発電所が置かれていて、
両者の間を水路トンネルで結んでいる。

地図上に引かれた緑の線は立山黒部アルペンルートを示している。
黒部1-2(1)
写真はアルペンルートの室堂と大観峰を結ぶトローリーバス

徒歩を除けば、このアルペンルート黒部ダムに至る唯一の交通手段となるが、
富山県側(地図:左)の立山駅からと、長野県側(地図:右)の扇沢駅のどちらか から
選択して入る事になる。
距離的には扇沢からが近いが、立山からの方が見所も多い
今回、私は富山県側から入る事にした。

ところで、地図の北側には青い線で黒部渓谷鉄道を記している。
黒部1-2(3)
新山彦橋を渡るトロッコ列車(黒部渓谷鉄道

宇奈月(うなづき)と欅平(けやきだいら)を結び、黒部川に沿って走っていて
沿線ではアルペンルートに負けず劣らず美しい景観が楽しめる

そんな立山黒部アルペンルート黒部渓谷鉄道だが、
どちらも元々は黒部開発の為の資材運搬ルートが始まりであり、
工事の終了と共に、その役目を終えて次第に観光へと移行していき現在に至る。
しかしダムの建設は終わっても、メンテナンスは行われねばならず
黒部渓谷鉄道は観光列車と並行して現在も資材運搬を行っている。

ここで、もう一度先のMAPを見て頂きたい。
青い線の黒部渓谷鉄道は欅平が終着点で、
黒部ダムどころか第四発電所にも繋がっていない
それではアルペンルートがメンテナンス資材を運んでいるのだろうか
答えはNo 現在のアルペンルートは観光に特化し、資材は運んでいない。

実は黒部渓谷鉄道の終点、欅平と黒部ダムを繋ぐルートが存在するのだが、
関西電力専用の路線で一般には解放されていない。

黒部MAP3 (3)-10
上のMAPに茶色の線で描かれた黒部ルートが、それ

普段は非公開な黒部ルートだが、平成8年から見学を受け入れていて
毎年春から夏にかけて公募が行われる。
本来は工事やメンテナンスに使われる車両を利用する為、定員が限られていて
一度の見学会に対し30人しか受入れ枠がない。
その為申込が定員を超える事が多く、抽選となる。

申込が多い時には7倍以上の競争率になるようで、
実を言うと期待してはいなかったのだが、
試しに申し込んでみると、幸運にも初回で当選出来た

黒部1-2
送られてきた当選通知と、関連資料

今回は家族は連れず、一人で申し込んだのが功を奏したのかも知れない。
組み合わせは家族でも知人同士でも良いが、例えば4人で申し込んだとする。
生憎残席が3人分しか残っていなければ必然的に落選となるが、
1人だと満席になるまで当選する確率が残される訳である。

しかし喜んでばかりもいられない
私の生息する広島から目的地の黒部までは遠い
けれども仕事の関係で二日しか休めない
行程は一泊二日
強行軍となる事は必至
始発便で出て、最終便で戻る事になる

往復のJRは予約出来るが、現地のアルペンルートは行ってみないと分からない
宿の予約は出来ている
天気は…予報では問題なさそうだが山の天気は変わりやすい
夏とはいえ高地である、防寒対策も必要だ

雨具と羽織りモノとカメラ類を最小限にまとめて小さなリュックサックに詰め込み
切符を握りしめて8月9日の始発列車に飛び乗った。
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